しかし、現実問題として閲覧者から「リンク先を新しいウィンドウで開くようにして欲しい」という要望が存在しているのだ。それは『はてな』のアンケートに「訪問者の立場で、リンクのターゲット指定として好ましいと思うものはどれですか。(個人サイトのリンクページの場合)
」という質問がある。そこでは以下のような結果が出ている。
このように、target="_blank"は全体の約半数、同一ウィンドウに表示の2倍近いの人がこれを支持している、理想理論とは逆の結果が出ていることが分かる。このようなことがあってか、個人ニュースサイトやテキストサイトは外部リンクにtarget="_blank"を用いるところが多い。(blogサイトは新しくウィンドウを開かないところが多い。この理由は良く分かっていない。)
では何故このような理論とは逆の結果が出るのだろうか。これの理由に、私はネットユーザーの多くがブラウザを動かす最低限の知識しか覚えていないからだと考える。具体的には、「shift+左クリック」で新しいウィンドウで開くことを知らない、そもそも自身での新しいウィンドウの開き方が分からない、という人が多く存在しているのではないかということである。
これは私と周囲の経験的なことによる推測であり、実際に厳密なアンケートをして調べたわけではない。そのため「んなバカな」と思う人もいるだろう。しかし当サイトの12月17日の記事に書いたようなことが普通に起こっていることから、新しいウィンドウを開けない人がいるという意見は大げさじゃないと思う。
もし、この推測が事実であるならば、どのような対策が有効であるか。私は二つほど解決法を挙げたい。
1.通常のリンクの隣に、「_blank」を指定した別ウィンドウを開くリンクを並列する。
こうすることによってユーザーは特別な知識が無くても新しくウィンドウを開く選択ができるようになる。デメリットとしては一つのページへリンクを貼るごとに、二つのa要素を記述しなければならないため、作成者は2倍の手間がかかることと、ページ容量が大きくなってしまうこと。
2.ページの目立つところに注意事項として新しいウィンドウの開き方を明示する。
例えば「IEではリンクをshiftを押しながら左クリックをすると新しいウィンドウで開くことが出来ます。」などと明示すれば、ただ問題を解決できるだけでなく、閲覧者に別窓の開き方の知識を広めることになるので、このような問題が起こる根本の解決にも繋がる。デメリットを挙げると閲覧者は注意事項を読まないことが多いため、問題が解決しない可能性もあること。
しかしながら、これでも私は完全では無いと思う。そう考えるようになった理由は徳保隆夫氏の「バカな閲覧者は勝手に不幸になればいい。」を読んだことにある。
原則論を貫けば怠惰な閲覧者に「ユーザビリティが低い」と罵られ、現実論で突き進んでも理論派に「ユーザビリティが低い」と批判されます。絶望的な状況です。趣味でやっている製作者は、純粋に自分の好きな方を選べばいいと思う。私は原則論を重視したい。だから、こういう。
バカな閲覧者は勝手に不幸になればいい。
結論だけを引用したが、この意見はその結論に至るまでの経緯に納得させられるので是非全文を読んで欲しい。これを読むと結局のところ全ての閲覧者を満足させることは不可能ということになる。
分かりづらいという方のために、もっと簡単な例えを出そう。「日本語が使われているサイトでは、閲覧者が日本人であれば誰でも満足できるだろう。しかし訪れた人が日本語を読めなかった場合には満足させることは不可能だ。」これも上のページで述べられていることと同じである。つまり片方を立てればもう片方は立たない、ということだ。
結論を言うとtarget属性を「_blank」に指定しようと、しなかろうと自由だ。しかし、ただ自由なわけではなく、自分のサイトの客層を考え、自分が読み手の視点になって考えた上での自由である。
ウェブサイトはtarget属性を「_blank」に指定することによってリンク先を新しいウィンドウで開かせることができる。
だが、一般的にそれは「閲覧者が自由に新しいウィンドウを開くかを決定できる権利を無視している」、「W3C勧告(リンク先はこれを和訳したサイト)でも『』と非推奨であり、XHTML1.1等では既に廃止済みだ。」などの理由から否定される傾向が強い。
たしかに、target="_blank"はデメリットが非常に多い。軽く挙げるだけで「視覚障害者へのアクシビリティに問題がある」、「新しくウィンドウを開く分リソースを食う。」、「ナビゲートに関して問題が発生する可能性がある。」などが挙げられる。それらの意見はもっともなことであり、私も同意である。そのため、全てのユーザーが自由に新しいウィンドウを開くかを意思決定できるならtarget="_blank"など必要ない。